株式会社ケーエム縫製
代表取締役 水谷 浩陸

「今、私の着ている服はユニクロですよ(笑)」と語る水谷社長。「安いところで作りたいのであれば、中国で生産すればよいと率直にアパレルメーカー様にお話しします」

ケーエム縫製がこだわっているのは“メイドインジャパン”ならではの高い技術力である。それを実現するために、1人1着縫製するセル方式の生産体制を整えている。工程ごとに人を分けて、流れ作業にすると品質が落ちてしまう。「任せることが、社員のモチベーションアップに繋がる」と社員教育の一環としても効果を上げている。

品質にも自信があり“2次元のデザインを正確に3次元で形にする高度な縫製の技術”を持っている。見積もりに関しても、適正工賃で提示し、サンプル品を出して、断られたケースはほとんどない。

ただ、ケーエム縫製は、技術力だけが優れているわけではない。大切にしていることは、あくまでも、お客様との距離間。
『作り手と送り手、スープの冷めない距離』をモットーとしている通り、一緒にものづくりをしていく姿勢を大切にしている。
不良品ゼロを目指すため、仕上げプレスは社長自ら必ず確認を入れる。


ユニークなのは会社だけではない。
社長自らブログ(WEB簡易日記)を立ち上げており、日々感じたこと、美味しい料理屋、仕事に対する姿勢など・・・ざっくばらんに社長自ら綴っている。縫製業界でブログを立ち上げている会社はほぼ異例との事。そして、驚くのは更新頻度。
毎日更新を重ね、その影響からか社員自らブログを掲載するまでになった。

「会社のホームページよりブログのほうがアクセス数が多いんですよね(笑)」
そのブログが、様々な効果を生んでいる。
2006年5月にホームページをリニューアル。SEO対策(検索上位表示対策)の一貫としてブログを立ち上げたが、『縫製工場』とグーグルで検索すると1ページ目にヒットをする。ホームページを立ち上げてから様々な問合せが増えた。国境を越えてオーストラリアから問合せがあったりと、今までには無い出会いがホームページを通してあった。

「犬の服を作って欲しいと言われたこともあります(笑)」

要求されても答えられない場合は、協力会社などを紹介して、1件1件丁寧に対応している。


新たな人材も入社し、OJT方式で社員自らが技術向上を行うようにしている。
特に、手取り足取り教えることはしない。
仕事を任せることによって、自立と責任が芽生え自然と技術も向上していく。
ものづくり産業が、大手を中心に海外へ生産拠点を移していく中で、今後も苦しい
状況は変わらない。その中でも、新たな取り組みを試行錯誤をしている。
ただ、ホームページ製作に力を入れても、最終的にはお客様のニーズに答えていく姿勢と一緒にものづくりをしていくことに喜びを見出せているかどうかだ。

ケーエム縫製では、単純に請負ではなく「5年後、10年後の日本のものづくり」を考えて、取り組みをしている。

今後も大きな淘汰の波は避けられない。その中で勝ち抜くには技術力だけでない、人財を育てる体制が生き残りをかけた鍵となることは間違えないだろう。


つくばエクスプレス線の八潮駅からバスで10分。水色の建物が目印のケーエム縫製様に訪問してきた。
訪問前に、社長ブログを拝見してお会いするのを楽しみにしていたが、本当に気さくな方であった。
会社のことを熱く語る姿は、厳しい市場の荒波を乗り越えていこうとするバイタリティーに満ち溢れていた。

玄関先には有名芸能人のサイン。以前TVで2回ほど取材されたとのことでその時のもの。
縫製工場に芸能人のサイン。そして、社長自らブログを書く。
そのユニークな社風が若いデザイナーの感性を刺激して、より良いものを作っていくのだと感じた。

SEO対策の一環としてブログを掲載したが、企業のHPよりアクセスが多いということは、会社の雰囲気を社長の感性を通して感じようとしている人が多いのではないだろうかと感じた。

株式会社ケーエム縫製
創業:昭和43年7月
〒340-0015
埼玉県八潮市八潮8-1-15
(首都高6号三郷線・八潮南インターより5分)
社長:水谷浩陸
社員数:20名
生産アイテム:婦人服専門
所属団体:二友会
日本モデリスト協会
URL:http://www.miz.or.tv/index.html